追悼・唐十郎さん 破天荒だが才能の塊のような人 飲み屋で「お前は誰だ」と凄まれビビった
小日向文世さんは「1度だけ唐十郎さんと飲んだことがあるけど、『おい! おまえよ!』って突然スイッチが入る人でね。恐ろしかったです」と語った。
■破天荒だが才能の塊のような人
語られていない武勇伝はこんなものではないに違いないが、大立者とは唐さんのような人のことを言うのだろう。
そんな唐さんを慕う六平直政さんが、こんな一面も語った。
「とにかくケチ。俺は状況劇場に10年近く在籍したんだけど、その間にもらったお金は20万円もなかったから。文句を言いたくても唐さんは座長で、こっちは下っ端。『嫌なら出てけ』と言われるだけだから、何も言えなかった」
それでも劇団を離れなかったのは「唐さんの書く素晴らしい(台)本で芝居ができたから。それだけが理由だね」。
破天荒だが、才能の塊のような人。そんな唐さんを描いたら、不謹慎かもしれないが、すごい芝居ができそうな気がする。
(峯田淳/日刊ゲンダイ)