今くるよさんに「俺も紳助も頭が上がらない…」島田洋七が語る“東京進出”後押しした恩人秘話
「俺らが売れても、食事に行けば必ずご馳走してくれた」
洋七は師匠に弟子入りして6年目に、B&Bの東京進出を決意。師匠の前に今いくよ・くるよに相談し、「そういう大事なことは楽屋で話さんほうがええ、(師匠の)家まで行って話しい」とアドバイスされた。今いくよ・くるよの2人は師匠宅まで同行してくれ、許可を得た帰り道に「師匠に許可もらって良かったな。今日は驕ってあげるから何でも食べたい物を言うて」と、お好み焼きをご馳走になったという。
「俺らが売れても、食事に行けば必ずご馳走してくれました。師匠がよく弟子を連れて焼き肉屋でご馳走してくれるのを受け継いだんでしょうね。姉さんたちがまだ売れてない頃でも『飯でも食べ』と1000円のお小遣いをくれる。ちょっと忙しくなってくると、それが3000円、5000円と増えていきました。漫才ブームの頃は会うたびに1万円を手渡されました。俺も紳助も頭が上がりません」
多くの後輩たちの面倒を見てきたという「今いくよ・くるよ」の2人。
「島田一門だけでなく、当時、若手のハイヒールたち女性芸人を10人以上連れて、月に一度は食事会を開いていたようです」
くるよさんの最後の舞台になったのは、2022年4月2日に「なんばグランド花月」で行われた吉本興業創業110周年特別公演「伝説の1日」。車椅子で登場したくるよさんは黄色いド派手な衣装に身を包み、「どやさ!」のギャグで笑いを誘った。仲間やファンをはじめ、多くの人からから愛された芸人だったという。
(本多圭/芸能ジャーナリスト)