著者のコラム一覧
てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

嫌な仕事をことごとくターニングポイントに変えた 柳葉敏郎の「反骨心」

公開日: 更新日:

 この番組の司会を務めていた萩本欽一と柳葉には縁がある。「一世風靡セピア」のメンバーとして活動していた柳葉は、萩本の番組「欽ドン!良い子悪い子普通の子おまけの子」(フジテレビ系)のオーディションに呼ばれたのだ。特に興味のなかった柳葉は「いいかげんに」オーディションを受けたが、合格してしまった。ここで萩本に芝居にも通じる“間”の大事さを叩き込まれた。ちなみに「踊る」シリーズの脚本を書く君塚良一も、萩本のお抱えの放送作家集団「パジャマ党」出身だ。

 その後、柳葉は「月9」のトレンディー路線第1作の「君の瞳をタイホする!」(フジテレビ系)で、のちに続くトレンディードラマのブームを作るが、「トレンディードラマ」と呼ばれるのは嫌だったという。そして「踊る」の室井慎次役が当たり役となり、イメージが一新されたのだ。

 萩本は「したくない仕事しか来ないんです。でも、運は、そこにしかない」(ほぼ日「ほぼ日刊イトイ新聞」2004年9月6日)ということを常々語っている。たとえば、萩本は「司会」などやりたくなかったが、やってみるとそれが大きな転機となった。くしくも柳葉もまったく同じだ。彼自身が嫌だと思った仕事がことごとくターニングポイントになっている。

 新作のオファーを受けたときも「嫌だな」と思った。それでも再び演じたのは「親友」と呼ぶ室井慎次への「恩返し」だ。

「27年間付き合ってきた大親友をこういう形で締めくくることができて、幸せです」(「シネマトゥデイ」24年11月18日)

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    俳優・山口馬木也さん「藤田まことさんは『飲め、飲め』と息子のようにかわいがってくれた」

  2. 2

    前代未聞の壮絶不倫・当事者のひとりがまたも“謎の欠場”…関係者が語った「心配な変化」とは???

  3. 3

    テレ朝ナスD“経費横領&パワハラ処分”に「見せしめ」の声も…家族団らん投稿の美人料理家妻に同情集まる

  4. 4

    自信なくされたら困るから? 巨人・田中将大がカブス戦登板「緊急回避」の裏側

  5. 5

    東原亜希の“黒帯バスローブ密会”乗り越えた「許す力」は佐々木希以上? 経済的自立も目指す強心臓とたくましさ

  1. 6

    料理研究家の森崎友紀 “本業”専念も恋愛は「年も年なので」

  2. 7

    兵庫県パワハラ知事に残った選択肢は「議会解散」のみ…多数派工作で延命図るか?味方は“情報漏洩3人組”のみ

  3. 8

    あす旧統一教会に解散命令か? N国党に急接近の不気味、タダでは転ばない悪あがき

  4. 9

    巨人の“アキレス腱”は絶対的セットアッパーが使えないこと…新助っ人キャベッジで外国人枠「満員」

  5. 10

    佐々木希が「芸能人格付けチェック」で"地雷キャラ"といじられ…夫・渡部建を捨てないもう1つの理由