フジ“やり直し会見”10時間半を識者はこう見た 影山貴彦(同志社女子大学教授/メディア論)・鎮目博道(元テレビ朝日プロデューサー)
何も説明していないので、だまされてはいけない
何も答えられず、不毛な時間を費やした。“外資の投資会社に言われたから”という、外圧に弱いフジテレビの体質が明らかになった。被害女性の事情を知っているのが港社長だけなら、関西テレビの大多社長が登壇してもよかったのでは。何度も質問されているうちに役員の意見に食い違いが出たり、ボロが出たことは今回の収穫かもしれません。
フジにとってプラスだった点は、本当にフルオープンで、CMも番組も飛ばして全て放送したことで誠実さが伝わったことと、フルボッコ会見でフジがかわいそうに見えたこと。さらに記者側の怒号やモラルの低さに、フジも悪いけどメディアもどうかと世間を同情的にさせたこと。これもある意味フジの戦略かもしれませんが、フジが何も説明していないのは変わっていないので、だまされてはいけないと思います。社長、会長は退陣したら終わりではなく、今後も説明に加わるべき。当事者がいなくなり真相から遠ざかることだけはあってはならないと思います。
(鎮目博道/元テレビ朝日プロデューサー)