“3人の妻”が顔を揃えた 萬屋錦之介の葬儀
葬儀は3月14日に芝・増上寺で行われ、3000人のファンが集まり出棺を見送った。なかでも芸能マスコミの注目を集めたのは萬屋の「3人の妻」の存在だった。
喪主をつとめたのは甲で90年に入籍。その前の妻は21年の長きにわたって連れ添い、87年に正式に離婚した淡路恵子(当時63)。
甲は86年から萬屋と不倫の関係のまま同棲生活を始め、淡路との泥沼化した三角関係と確執が当時の芸能マスコミでさんざん報じられていた。
最初の妻は4年間の結婚生活を送って、65年に離婚した有馬稲子(当時64)。
葬儀には有馬も淡路も参列した。有馬はその数日前に膝の手術を受けたばかりで、松葉杖を突いていた。「来るかどうかは迷いましたが、これを逃すともうお会いできないと思いまして」と語った。一番注目を集めていた淡路は、「いろいろなことがありましたが、私にはいい思い出と子供を残してくれました。今の奥さんには『ごくろうさま』と言いたい。恨みなんかとっくにない」と言葉を選んだ大人の対応をした。
だが、淡路は15分ほどで焼香をすませ、出棺や火葬にも立ち会うことなく立ち去った。甲から淡路に挨拶もなかった。それらのことからいまだに残る確執の深さを読み取る向きも多かった。