広島発の“ストリップ映画”に若い女性が詰めかけている理由

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加藤雅也の哀感漂う飄演技が映画の核に

 時川監督は広島を拠点に長編映画、ドキュメンタリー、TVCMなどを企画・制作している気鋭の映像作家。

「この作品は僕の前作を見てくださった加藤雅也さんが広島に来られた時に、ヒモ役で出演している広島の名物アナウンサーの横山雄二さんと3人で食事したのがきっかけで生まれた企画なんです。取材で初めて行ったストリップ劇場は想像とはまったく違って、淫靡さがなく、踊り子たちのきらびやかさと踊りにかける情熱に圧倒されました。ストリップは大人の文化なんです。劇場に自分の夢を投影するオーナーと踊り子たちのたくましい生き方、そしてストリップそのものの美しさをぜひ見ていただきたいです」

 サラ役の岡村はブルーリボン賞新人賞を受賞した実力派で謎めいた踊り子を好演。ストリップシーンではみずみずしい肉体を披露している。若い時の木下を演じる犬飼貴丈の繊細な演技も光る。また浅草ロック座を代表する現役ストリッパーの矢沢ようこが妖艶な舞でストリップの奥深さを表現する。なによりも加藤雅也の哀感漂う飄々とした演技が映画の核となっていた。

 ダンスシーンで使われるのは松山千春の「恋」とレディオヘッドの「クリープ」。

「今回、カメラマンは外国人2人を起用したんです。彼らの映像感性とこの名曲によって今までにない優美なダンスシーンになったと思います。若い女性客がストリップの美しさに感動したと言ってくれるのもうれしいですね」

 全国展開中。東京では武蔵野館のロングランに続き、池袋シネマ・ロサでも13日から上映がスタートする。

(山田勝仁)

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