昭和時代「新宿2丁目」はディープスポットだった
「薔薇族」という有名な雑誌の編集長でその世界で有名な伊藤文学氏も取材した。「自宅に来てくれ」と言われ伺ったことがある。通された応接間は観葉植物で囲まれた異様な雰囲気。伊藤氏の奥から見つめるような視線にのみ込まれるようだったが、話す言葉には説得力もあり理解できた。
2丁目をルポするうちに馴染みの店も増え、男性嗜好がなくても十分楽しめるようになった。また、変わった子もいた。「昼は生活のため、男の服に男言葉で立ち食いソバのバイトをしている」
芸能人もたくさん見た。俳優・女優・歌手といたが、噂通りの人もいれば、「えっ、この人が」と思う人もいたが、どんな遊び方をしているかは確認しようもなかった。知る人ぞ知るディープな街からテレビに出てタレント活動する人も現れ、2丁目は明るく健全なスポットへと変身を遂げている。