「午前0時の森」セクハラ発言問題の根底は、テレビ局が「アウト」の境界が分からないこと
日テレは昨年も情報番組「スッキリ」でもアイヌ民族への差別表現を含んだ放送をしたことで、猛批判を浴びた。今回の件はさらに悪質で、「コンプライアンスを無視した笑いをすることが面白い」テレビマンの「尖ったことをしたい」という歪んだ認識が引き起こした印象が否めない。前田氏は元々、雑誌「週刊プロレス」(ベースボール・マガジン社)内で「エロ社長」というあだ名で呼ばれているほど、セクハラキャラで一部では有名だった。さらには日本の対米国依存を批判する政治的活動もするなど、歯に衣着せぬ物言いで一定のファンがいた。その彼を番組に起用すれば"ウケる"と判断した制作側が、前田氏を起用したことが発端となって今回の騒動が起きた。
「前田さんの発言は飲み会のつまみにもならないような下品な内容ばかりでした。しかし、そんな危なっかしい発言をしかねない前田さんを起用すれば、視聴率を稼げるだろうと考えた番組スタッフがいたということです。ネットの声にあったように『いじり』がコミュニケーション方法の一つだと思い込んでいる層の人間が、日テレ以外のテレビ局にも残念ながらいます。セクハラなどのいじりは、相手への面白いフリであり、パスだと思い込んでいる人たちが実在します」(民放関係者)