落語家 林家木久扇さん(77) 喉頭がん

公開日: 更新日:

 治療から3カ月目。その日は突然やってきました。「お父さんおはよう」とおかみさんに言われて、「おはよう」と返したら声が出た。いやぁ、うれしかった!

 その翌日、出演が前から決まっていた「メレンゲの気持ち」(日テレ系)の収録で肉声をお届けでき、そしてすぐ「笑点」に復帰しました。実は、「メレンゲ」も「笑点」も同じプロデューサーで、「師匠の声が出なくてもいいから、(息子の)木久蔵を通訳にテレビに出してみよう」とチャンスを与えてくれていた。喉頭がんで“3カ月目で声が出た”なんて他に例はないぐらい早いそうですが、テレビ出演という約束が私の体のスイッチを押してくれたようです。

 今では40分の高座もひとりでオチまで話せるくらい、声も体も元気です。放射線照射もかゆいくらいで済んでしまう医療技術の高さには、つくづく感心します。

 噺家は“格好の商売”ですから、私は歯のケアと顔のケガには気をつけています。最近は転んで顔を打たないよう、ランニングシューズを履いて外出していますよ。

▽はやしや・きくおう 1937年東京都生まれ。69年から46年間、「笑点」のレギュラーを務める。昭和の懐かしい味を再現した「木久扇ナポリタン」(まあるいテーブル)を開発し発売中。20日、日本橋公会堂で行われる「林家木久蔵噺家生活20周年記念落語会 春」に出演。

【連載】独白 愉快な“病人”たち

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    下半身醜聞の西武・源田壮亮“ウラの顔”を球団OBが暴露 《普通に合コンもしていたし、遠征先では…》

  2. 2

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  3. 3

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  4. 4

    広島ドラ2九里亜蓮 金髪「特攻隊長」を更生させた祖母の愛

  5. 5

    「二刀流」大谷翔平と「記録」にこだわったイチロー…天才2人の決定的な差異

  1. 6

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  2. 7

    元横綱・白鵬に「伊勢ケ浜部屋移籍案」急浮上で心配な横綱・照ノ富士との壮絶因縁

  3. 8

    いまだ雲隠れ中居正広を待つ違約金地獄…スポンサーとTV局からの請求「10億円以上は確実」の衝撃

  4. 9

    キムタクがガーシーの“アテンド美女”に手を付けなかったワケ…犬の散歩が日課で不倫とは無縁の日々

  5. 10

    悠仁さま「渋渋→東大」プランはなぜ消えた? 中学受験前に起きた小室圭さん問題の影響も