春にやたらと眠くなるのはなぜ
「春眠暁を覚えず」と言いますが、医学的根拠は? 国際医療福祉大学熱海病院の〆谷直人先生はこう説明します。
「春に眠くなるのは、ごく自然な生理現象です。気温が上昇して日照時間が長くなると、体にはさまざまな変化が起こるのです」
冬の間は寒さのため体が緊張状態になり、自律神経は交感神経優位になっています。それが春になり、暖かくなると休息モードの副交感神経優位に変化し、心身がリラックスして眠りに誘われやすくなるのだとか。
「また、暖かくなると皮膚の血流量が増えて血圧が下がります。その分、脳の血流が低下して酸素不足になる。すると頭がボーッとして眠くなるのです」
頭がボーッとするのは、栄養不足が関係していることも。春は体内の各器官が活発に働くため、エネルギー消費が増えますが、糖質や脂質をエネルギーに変換するためには大量のビタミンB群などが必要。そのため、春は栄養不足から疲れ、だるさ、ひいては眠気に襲われやすいのです。
「入眠を促すホルモンであるメラトニンは日照時間が短くなると徐々に分泌量が減ります。しかし春先は冬のパターンからうまく切り替えができず、過剰に分泌されて眠くなってしまうこともあります」
仕事に支障をきたすほど強い眠気がある場合は、過眠症や睡眠時無呼吸症候群の恐れあり。医師に相談しましょう!