過剰増殖でニキビやかゆみが 「顔ダニ」あなたの顔を蝕む
「治りにくいニキビにはさまざまな原因が絡んでいます。ニキビ治療に詳しくない医療機関で、間違った塗り薬を処方され、顔がパンパンに腫れてしまい、当院に駆け込んでくる患者さんは珍しくない」
「実はニキビではなかった」、または「ニキビ+ニキビ以外の疾患」というケースも非常に多い。顔面にフケのような湿疹を生じる脂漏性皮膚炎、顔ダニと同様に常在菌であるカビの一種「マセラチア」が原因のマセラチア毛包炎などだ。
10年以上もニキビに悩み、医療機関を転々としてきた患者が、伊東院長の診察でニキビとは全く違う「血管線維腫」という良性腫瘍が判明したこともある。当然ながら、それぞれ治療法は異なる。
「診断の段階で、病歴、合併症の有無、毛穴の詰まり(閉塞)が強いかどうかなどをしっかり調べてくれる医師を選ぶべき。すぐに薬を処方し、それも何カ月分も出すところは避けたほうがいい」
ニキビは、皮膚がんのように、命に関わる皮膚疾患ではない。しかし、悩んでいる人には大きなストレス源なのは間違いない。不必要な治療に振り回されないためには、患者側も「自衛」するしかない。