風邪の原因はウイルスではない…に専門医が科学的に反論
風邪を引いたら抗菌剤(抗生物質)が処方されていたのは、過去の話。現在は、「風邪の原因はウイルスで、抗菌薬は効かない」が定説だ。厚労相が2017年に出した抗菌薬の使用指針「抗微生物薬適正使用の手引き」で、「抗菌薬を使わないことを推奨」としたこともあり、風邪に抗菌薬が処方されることはぐっと減った。
ところで、本当に「風邪の原因はウイルス」と言えるのだろうか? 疑問を抱き、過去に発表された国内外の論文を調べたのが、JCHO東京メディカルセンター呼吸器内科の徳田均医師だ。結果は意外なものだった。
「成人の感冒の原因をウイルスであると示す信頼度の高い研究は実は非常に少ない のです。気管支炎を含む風邪全体に話を広げても、ウイルスの検出頻度が高いとの報告はいくつかありますが、それらの研究では細菌についてはあまり調べられていません。一方、細菌が検出されるとの報告もあり、ウィルスと細菌をバランスよく研究することが必要ですが,そのような研究はほとんどありません。つまり成人においては、かぜの原因は実はあまりよく判っていない,というのが正しいのです」