風邪の原因はウイルスではない…に専門医が科学的に反論
特に高齢者では風邪が重大病につながり、命取りになるケースもある。風邪の原因が科学的にはっきり確定されていない現状から、徳田医師は風邪であっても必要と判断されたら抗菌薬を出すことがある。
以前も、こんなケースがあった。60歳代の女性で、風邪の後、咳が2カ月間続いていると訴える。喫煙歴あり。しかし、これまで何らかの呼吸器疾患は指摘されていなかったため、ほかの医療機関では「風邪です。抗菌剤は効きません」と告げられたという。
「胸部単純X線写真では異常は見出されませんでした。しかし、CTで肺気腫と軽症の間質性肺炎が見つかったのです。これが風邪が長引いていた原因でした。この女性は、昨年、一昨年と風邪を引いた時も、咳が長く続いていた。私は、風邪の患者さんには問診で過去の症状を聞き、『以前も咳が長く続いた』などと聞けば、抗菌薬を最初から短期間処方します。隠れた肺の基礎疾患があることが疑われるからです。彼女も最初から抗菌薬を服用していれば、2カ月間苦しむこともなかったでしょう」
もしかして、と思ったら、担当医に過去の症状も訴え、判断を仰ぐべきだ。