栄養バランスが悪化 持病がある人は二次性サルコに要注意
「加齢性サルコ」は老化に伴って進行するため、予防が簡単ではありません。最近、「高齢者は肉を食え」みたいなことが盛んに言われているのは、筋力維持に肉が最適だからです。ところが、高齢者は肉を食べるから元気なのか、元気な高齢者だから肉が食えるのか、どうもあまりはっきりしていないようです。
中高年の我々は、健診のたびに「もっと体重を減らせ」「酒も減らせ」と言われることはあっても、「もっと肉を食え」とは言われません。そのあたり、どうなんでしょうか。
サルコにはもうひとつ、「二次性サルコ」と呼ばれるものがあります。
こちらは主に内臓などの病気に起因する、筋力や身体機能の低下のことです。とくに消化器系の持病があると、食欲が落ち、栄養を消化吸収する能力が弱ってしまいます。また肝臓、腎臓、心臓などの病気も、食欲低下や栄養バランスの悪化につながります。
ですから健康診断でなにか持病が指摘されたら、いまのうちからケアしておくことが大切です。
とくに糖尿病、高脂血症、動脈硬化などは、ケアしておいたほうがいいでしょう。いまは大丈夫でも、いずれ人工透析や脳梗塞や心筋梗塞につながるかもしれません。そうなると体力や運動機能が悪化して、一気に老け込んでしまいます。