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永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

主観で計算している健康寿命は対象者の気分次第で変化する

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 厚生労働省が毎年発表している健康寿命。男性約72歳、女性約75歳で、平均寿命との差はそれぞれ約9歳、約12歳となっています。

 インパクトが大きいため、銀行・証券や生命保険会社が商品宣伝に盛んに利用しています。「老後の医療・介護にそれだけ金がかかるぞ」と脅しているわけです。

 政府の統計によれば、要支援・要介護認定者は約630万人(2017年1月)。確かに多いのですが、80代後半から90歳以上に集中していて、70代では限られています。実際、自分の周りの70代は元気な人ばかりではないでしょうか。健康寿命の厳しい数字とは、だいぶ懸け離れているように感じます。

 それもそのはず、そうなる計算方法を使っているのです。

 健康寿命は、平均寿命から不健康な期間を引いたものです。ところが健康と不健康をきっちりと分ける医学的な基準がありません。

 そこで日本では「国民生活基礎調査」の中の、健康に関するアンケートに基づいて線引きをしています。

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