病気につながる可能性も 「耳掃除」は月1回程度で実は十分
「とにかく触らないで、と患者さんには言いますが、悪循環を断ち切れず、外耳炎をこじらせる人も少なくありません」
風呂上がりに、水分を取るために綿棒で耳の中をこするのも、外耳炎の原因になる。
一方で、体質によって耳垢が自然に排出されない人もいる。耳の中にぎっしり詰まっていて、医師が調べても鼓膜が見えないほど。耳掃除のやり過ぎによる外耳炎の患者は、後藤医師が診ている大学病院でも週1~2人は来るので、開業医の先生のところではもっと多いことが予測される。
「突然耳が聞こえなくなったと驚いて外来に来られる人もいます。私の印象では耳垢が湿っている人によくある。飴玉3~4個分くらいの耳垢が取れる人もいます。耳垢が取れにくい体質の人は、3カ月に1回くらいは開業医で耳掃除をしてください」
耳掃除好きの人は、あの“気持ち良さ”を、ごくたまに楽しもう。
■耳が聞こえなくなったら
急に耳の聞こえが悪くなったら、様子を見ないで、すぐに近所の耳鼻咽喉科を受診すべきだ。突発性難聴では対応が遅れれば、それだけ聴力を取り戻しにくい。ヘッドホンの繰り返しの利用や大音量で神経が損傷し、音響外傷といって難聴になっている場合もある。いったん聞こえが悪くなると、一生続くケースも少なくない。治療のチャンスを逃してはいけない。