【あさりとじゃがいものタイ風炒め物】ナンプラーの風味が塩分を補う

公開日: 更新日:

旬の恵みを味わう<2>

 春は貝が旬です。身がふっくらとして、うま味が強く、栄養価も髙い。今回はあさりをメインにしました。

 味付けにはナンプラーを使います。ナンプラーは、タイ料理に欠かせない調味料で、近海の小魚を塩蔵して発酵させた上澄み液、いわゆる「魚醤」の一種です。小魚の内臓に含まれる酵素がタンパク質を分解することでアミノ酸が形成され、塩気だけでなくうま味を伴います。独特の風味が、あさりのうま味をより、引き立ててくれるのです。

 わたしはうま味を加えたいときによく、ナンプラーを使います。色の薄い物ほど上質とされ、和食との相性も良くなります。レシピに目安の分量は記してありますけど、ものによって塩分濃度が異なるため、最初は控えめに入れ、味見をしてください。ナンプラー独特の風味が、あさりのうま味をいっそう引き出すと同時に、塩分を補ってくれます。うま味を加えることが、結果として塩分を控えることにつながるのです。

 夏に向けて旬のピーマンは、わたと種を丁寧に取ると苦味と臭みが薄くなります。にんにくは中の芽を除いてください。胃壁に悪影響を及ぼしますから。もうじき新にんにくに切り替わる時期だけに、芽が育っています。

 料理は下処理が大切です。ほんのちょっとのひと手間を加えることによって、よりおいしく、より体に良いものをいただけます。

《材料》
・あさり(大きめ) 500グラム
・A……にんにくの千切り大さじ1とごま油大さじ1
・レモングラス 3本を小口切り(約大さじ1)
・じゃがいも 2個
(皮をむき厚さ7ミリの一口大に。水にさらしてでんぷんを抜いておく)
・チキンスープ 1カップ
・B……バジル1茎と白ワイン大さじ2
・ナンプラー 大さじ1~1と2分の1
・玉ネギ 中1個
(皮をむき縦半分に切り1センチ幅に)
・ミニトマト 6個
(ヘタを取り縦半分に)
・ピーマン 1個
(縦半分に切り、芯、種、わたを除き、長さ5センチ幅7ミリ幅に)
・白コショウ 少々

《作り方》
(1)あさりの砂を吐かせ、殻をこすり合わせて洗い水気を切る。
(2)中華鍋にAを合わせて中火にかけ、香りが立ってきたらレモングラスを加える。これにあさりを入れて炒め、水気を切ったじゃがいもを加える(写真)。
(3)チキンスープ、Bの順に加えたら蓋をする。あさりの殻が開き、じゃがいもに火が通ったら、ナンプラーを味を見ながら加える。玉ネギとミニトマトを加え、さっと火を通す。
(4)最後にピーマンを加えて火を止め、味を見て白コショウで調味する。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」