青あざだけじゃない 血小板減少症は肝臓の線維化のサイン

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「特にそんなことはない」なら、過去の血小板数値に異常がないか確認した上で、大丈夫なら様子を見ます。「過去に精密検査を受けましたが、大丈夫でした」も様子見ですが、「精密検査を受けたことがない」という人は、一度、検査を受けるべきでしょう。

 血小板減少症は、いろいろな原因が考えられますが、侮ってはいけないケースが少なくないのです。たとえば、肝炎や肝硬変などで、肝臓が硬くなる線維化が進むと、血小板の数値が低下することが知られています。肝機能の数値としては、γ―GTP、ALT、ASTなどが有名ですが、肝臓の線維化との相関関係は血小板が一番です。

 18万個で軽度の線維化が認められ、さらに進んで10万以下だと肝硬変が疑われますから、前述の基準値内でも低下傾向なら要注意。肝炎のうちに治療を受けたり、生活改善に取り組んだりすれば肝機能は改善しますが、肝硬変になると難しいですから。

 もうひとつが、薬剤の影響です。リウマチの薬でよく使われるメトトレキサートや抗てんかん薬のカルバマゼピン、甲状腺治療薬のチアマゾールなどは副作用に血小板減少があります。それらによる薬剤性なら、薬の変更で血小板の数値は改善します。

 一方、骨髄の病気やがんなどになると、逆に血小板の数値が上昇することも。そうなると、血栓ができやすくなり、脳梗塞心筋梗塞のリスクが上昇。こちらも見逃してはいけない病気ですから要注意でしょう。

(梅田悦生・赤坂山王クリニック院長)

【連載】医師の常套句「様子を見ましょう」の真意

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