1時間怒り続けると残業6時間分相当の精神力を消耗する
被験者に5分間、気遣いや思いやりのある行動を取ってもらうと、なんと彼らのIgAレベルが平均41%増加したのです。1時間後にはIgAレベルは正常に戻るのですが、その後、約6時間にわたって再び徐々に増加。つまり、マザー・テレサの映像を見るよりも、自らが気遣いや思いやりを持った行動をした方が効果があったのです。
たしかに、困っている人を助けるなどの向社会的行動をすると、後々までいい気分に包まれますよね。実は、そういった高揚感が、心身に良い影響をもたらしていると示唆されているんです。
一方、怒りや反骨心を、あえてエネルギーに変える人もいると思います。ですが、単に怒っているだけではパワーに変えることは難しいでしょう。大切なのは、「なぜこの怒りは湧き上がるのか?」「世間を見返したい!そのためには何が必要か?」など、理知的かつ客観的に思考するマインドです。
論理的に考えれば、脳のリソースは、怒りによって反応していた扁桃体から、理性をつかさどる前頭葉へと移動します。すると徐々に怒りも静まり、冷静さを取り戻していきます。実は、怒りを原動力にしている人は、このような冷静な判断や思考を伴っているケースが多く、ただただ怒るばかりでは免疫力を下げてしまうだけなのです。