著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

騒音はストレスレベルを上げるが、雑音は想像力を向上させる

公開日: 更新日:

 騒音の激しい場所にいるとイライラしてしまいます。集中できなくなるだけではなく、驚くことに、「騒音の大きい場所に住むと太る」というスウェーデンのカロリンスカ医科大のエリクソンらの研究(2014年)があります。

 5156人を対象に、騒音と肥満の関係性を統計的に調べたところ、空港、鉄道、大きな幹線道路などの近くに住む人は、相対的に体脂肪の量が多かったそうです。

 個人差もあるでしょうが、女性だけで言えば、騒音が5デシベル上がるごとにウエストが1.51センチ増えることも数字上で明らかになったといいます。

 騒音の刺激を受けると、ストレスによってコルチゾール、すなわちストレスホルモンが分泌されます。ですからコルチゾールが増えることで食欲は増え、睡眠の質も下がります。当然、太りやすくなってしまうわけですね。

 そのため、音が激しい場所、たとえばカラオケボックスやゲームセンターなどでストレスを発散したい場合は、気分転換と自分で思える程度がいいでしょう。付き合わされて、騒音に聞こえるようだったら黄信号。また、過剰なコルチゾールの分泌は、プランニングや論理分析に関与する脳の前頭前野の働きを阻害するともいわれています。音がうるさくて集中力が欠けてしまうのは、こういった理由からなんですね。

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