「脱マスク」で大事なのは屋外か屋内かではなく感染経路を考えた予防策
岩室医師は一番の動機は今後欧米との社会経済活動を行うにはマスク着用は障害になると考えただけではないか、という。政府は水際対策で1日当たりの入国を上限1万人から2万人に増やす予定だ。
「そうなれば、屋外での脱マスクが進んでいる外国人と日本人との間でトラブルが頻発する可能性がある。日本ではマスクをしない人は感染対策をしない人という印象があるからです。しかも、顔の表情で相手の意思を読み取ろうとする外国人はただでさえ表情が乏しい日本人がマスクをしたままでいることに不安を覚える場合もある。新型コロナに感染しても重症化リスクが低くなってきたこともありますが、主な理由は外国人対策なのではないでしょうか」
むろん状況に応じた脱マスクは賛成だ。気をつけたいのは、屋外でも新型コロナは感染する場合があることだ。
「過去にはバーベキューをしていたグループに集団感染が起きたことがありました。屋外とはいえ、飲食しながら大声で話せば、飛沫が飛び、直接あるいは料理を介してウイルスが人体に侵入しないとも限らない。当時、流行していたアルファ株やベータ株に比べてオミクロン株は感染力が強い。そのことを考えればシーンごとに考えて脱マスク議論を進めないと間違うのではないでしょうか」