コロナ対策を続けても「結核」はなぜ減らない? 新規感染者は毎年1万人超

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 持病のある高齢者に結核の症状が出れば重症率は高くなる。結核と診断されて治療を開始した80歳代の患者の約38%、90歳以上では約54%が亡くなっている。とはいえ、日本の結核の罹患者数は徐々に減少している。人口10万人当たりの結核の罹患者数が10人を切ると国際的には「低蔓延国」に認定される。日本は昨年、9.2人となり悲願の低蔓延国入りした。

「1943年の人口10万人当たりの結核死亡者235人。これは2018年の約230倍に当たります。それから比べればウソのような減少です。しかし、人口10万人当たりの新規罹患者数は米国で2人、ノルウェーで3人で、9.2人の日本はまだ多い。20年以降の減少は、新型コロナで受診する人が少なかったせいで診断・報告された人は減りましたが、実際の患者数はそれほど減っていないという見方もあり、油断できません」

■診断の遅れも要因のひとつ

 気になるのは日本の結核患者数は偏在していること。

 都道府県別の人口10万人当たりの結核罹患率は長崎、大阪、徳島、沖縄、愛知の順に高く、山梨、秋田、岩手、長野、福島の順に低くなっている。長崎の結核罹患率は13.5で、最も低い山梨の4.3の3.1倍だ。

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