寝てバンザイがスムーズにできるかどうか…肩のチェック法
「髪が洗いにくいのと、おそばが好きなんですが、おそばの器を持ち上げられず、うまくすすれません。当然、腕は上がりにくいです」
こんなふうに訴えたのは、写真の女性。肩の可動域を拝見すると、右腕は外旋30度、左腕は0度。可動域というのは関節がスムーズに動ける角度のことで、外旋というのは、肘を曲げた「小さく前へならえ」の姿勢からどれくらい横に開けられるか、ということです。女性は左腕がちぢこまっているので、生活にさまざまな支障が出てきているのです。
日常生活を送る上で、私たちは体のあちこちにある関節を動かしています。この関節がスムーズに動かなくなれば、生活の質(QOL)は下がりますし、関節を動かさないためにより機能は低下します。おかしいなと思ったら、早い段階で整形外科を受診してほしいのです。
では、肩関節では可動域はどれくらいあればいいのか? Udakaという人が「Journal of Clinical Rehabilitation」で報告している内容によれば、腕を自然に下ろし、そこから体の前を通って肘が胸の高さに来るくらい(屈曲)、腕を横に上げて肘が耳の辺りに来るくらい(外転)、前出の外旋では約30度くらい。