セレブママたちが嫌がる「都落ち」感で遠のく慶応の背中
奥島は自ら初等部の2次試験の面接に臨み、父兄らに寄付を要請したという。02年まで8年間、早大総長を務めた奥島はその後、日本高等学校野球連盟会長、ボーイスカウト日本連盟理事長、白鴎大学長などを歴任。いわば、教育界のドン的存在だ。
翌年度には、寄付額が1人300万円では借入金返済が追いつかないと、350万円に増額。早実初等部が寄付金を半ば強制に近い形で集めていることが、私学助成金を出している東京都にも知られるところとなった。都は同校が合格発表前に寄付を要請している点と、高額であることを問題視。学校側に改めるように通達を出した。ところが、同校はその翌年度も2次試験の面接で350万円の寄付を募ったのである。
「当然ながら、都は激怒。私学助成金の2割に当たる約1億2000万円の返還を求めてきた。都や文部科学省からにらまれるようになったばかりか、父兄からも学校の拝金主義に対し、厳しい目が向けられるようになった。有名私立小学校の多くは何らかの形で寄付金を集めていますが、350万円という額はべらぼうに高い。早稲田は初等部を金儲けの道具としか考えていないのではないかと不信を持たれるようになってしまったんです」(前出の早大教授)