「ねえ、あなた。2人で住み込みの管理員をしましょうか」と妻が言い出した
家からの持ち出しは2600万円を超え、それまでに蓄えていた預金も残り少なくなっていった。借りていたテナントからは撤退し、自宅での営業に切り替え、早朝には郵便局でのバイトもするようになった。2人して明日は我が身とばかり毎夜毎夜、寒空のなか、あちこちにいるホームレスたちにちょっとした食べ物を配り歩いていたある日、家内がぽつりと言った。
「ねえ、あなた。わたしたち、2人で住み込みの管理員をしましょうか」
わたしは一瞬、絶句した。気位の高く、どちらかといえば「セレブな雰囲気」を身上とする彼女が、そんな惨めな職業をクチにするとは思えなかった。確かにこのままで行けば、あちこちにいるホームレス同様の身分に落ちてしまうのは、火を見るより明らかだった。
かくして、わたしたちは住み込みのマンション管理員になったのだった。(つづく)
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