岸田首相キーウ訪問「うまい棒(やきとり味)搬入」の謎 外務省に段ボールの中身を聞くと…
意図的なリークか否かは大きな違いだ。岸田首相のウクライナ訪問の第一報は、21日午前11時半にNHKと日本テレビが同時に流した。両局ともポーランドの国境付近の駅から列車に乗り込む姿をバッチリ捉えていた。
このタイミングでの“電撃訪問”は政治日程を考慮すれば十分に予測できた。とはいえ、戦後日本では現職首相が戦地に赴くのは想定外のケース。鉄道での移動など特定されやすい状況は当然、狙われるリスクが高い。しかし、この国の政府とメディアの間には、米国や英国のように「報道の自由」の例外を認めるルールは何もない。
一歩間違えば一国のトップの命に関わり、政府の意図的なリークはメディアの選別や政治利用につながる。折も折、放送法の政治的公平を巡る総務省の行政文書が話題だ。今後の政府とメディアの関係を考える上で、今回のケースは生きた教材となり得るが、NHKの速報には「場違いなブツ」が映っていた。
岸田首相一行が列車に積み込んだ段ボール箱に、国民的駄菓子「うまい棒」の文字が印刷されていたのだ。SNS上は〈岸田さん、ゼレンスキー大統領に駄菓子を献上か〉〈いや、これは単なる箱だけだろ。中身は違うと思うぞ〉などと百家争鳴である。