岸田政権肝いり「児童手当拡充」は+6000円ぽっち…愚策に愚策を重ね“世代間対立”をあおる
■真の狙いは世代間対立
「控除より手当」が政府・与党の方針らしいが、子育て世帯の控除を縮小する一方で、老いた親や祖父母などの扶養世帯が対象となる老人扶養控除は温存したままだ。70歳以上の親族を「同居」で扶養すれば、控除額は所得税で58万円、住民税は45万円。高校生を扶養する世帯を大きく上回る。
これじゃあ、子育て世帯の高齢者への不満は募るばかりだ。世代間対立をあおり、高齢者向け社会保障を削りやすくするための「社会の分断」こそが、少子化対策の真の狙いではないのか。まさに異次元レベルの愚策である。
「岸田首相は『社会全体で子育て世帯を応援する』と説明していました。ならば少子化対策の財源は応能負担の原則に立ち、富裕層の課税強化とセットにすべき。手当拡充の財源を子育て世帯に負わせるのは、飢えたタコが自分の足を食べるのと同じです」(浦野広明氏)
愚策に愚策を重ねては、少子化は食い止められない。