自民派閥「政策集団へ移行」は国民置いてけぼりの“言葉遊び”…《今まで何だったの》噴出の必然

公開日: 更新日:

 自民党の派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事件を受け、同党の茂木敏充幹事長(68)が会長を務める「茂木派」(平成研究会)が週内にも会合を開き、今後は「政策集団」へ移行する検討に入った、と報じられた。

 裏金事件を機に、自民党では全6派閥のうち、最大派閥「安倍派」(清和政策研究会)や「二階派」(志師会)、岸田文雄首相(66)が会長を務めていた「岸田派」(宏池会)などの4派が解散を表明。これに対し、第2派閥「麻生派」(志公会)を率いる麻生太郎副総裁(83)は27日に福岡県飯塚市で開いた国政報告会で、「政策集団として皆さんの期待に一層応えられるよう頑張っていく」として、存続を明言した。

 第3派閥「茂木派」も麻生派にならって「平成研究会」として活動を続けるというのだが、SNS上では《言葉遊びをしているだけではないのか》《これまでと何が違うのか、変わるのかがさっぱり分からない》との投稿が少なくない。

■岸田首相は国会答弁で何度も「政策集団」と繰り返していたが…

 自民党の政治刷新本部がまとめた中間報告によると、大雑把に言って派閥から「カネと人事」の機能を切り離した団体を「政策集団」と呼ぶ。ただ、今回の裏金事件が報じられた際、岸田首相は国会答弁で何度も「政策集団」と繰り返していた。

「自民党としても、各政策集団に対して修正の内容等を的確に説明する、こういったことについて党の幹事長に対して私も総裁として指示を出したところであります」(2023年11月27日の参院予算委員会)

「自民党の政策集団の政治資金パーティーについて様々な指摘がされていること、これは、当然のことながら、承知をしております」(同12月8日の衆院予算委員会)

「自民党の各政策集団の関係政治団体の政治資金パーティーに係る政治資金収支報告書の記載等に関してお尋ねがありました」(同12月11日の参院本会議)

 答弁を振り返る限り、岸田首相は「派閥」を「政策集団」とみなしていた。今になって麻生氏や茂木氏が「政策集団として生まれ変わる」と言っても通じない。ネット上で《なら今まで何だったん?》との声が出るのも無理はない。

■関連キーワード

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 暮らしのアクセスランキング

  1. 1

    大阪・関西万博“裏の見どころ”を公開!要注意の「激ヤバスポット」5選

  2. 2

    大阪万博ハプニング相次ぎ波乱の幕開け…帰宅困難者14万人の阿鼻叫喚、「並ばない」は看板倒れに

  3. 3

    大阪万博メディアデー参加で分かった…目立つ未完成パビリオン、職人は「えらいこっちゃ」と大慌て

  4. 4

    テレビでは流れないが…埼玉県八潮市陥没事故 74歳ドライバーの日常と素顔と家庭

  5. 5

    「2025年7月」に大災難…本当にやってくる? “予言漫画”が80万部突破の大ベストセラーになったわけ

  1. 6

    大阪万博の今後に大きな不安…初日来場者11.9万人は「最大想定の半分」なのにトラブル続出のア然

  2. 7

    兵庫県職員新規採用「辞退率46%」の異常事態…知事のパワハラ疑惑が原因なのか?昨年は25.5%

  3. 8

    (4)多くの農家が潰れるから企業参入促進というおかしさ 間違った「議論の前提」が稲作を崩壊させる

  4. 9

    昭恵夫人に一私人らしからぬカネと力が… 安倍元首相の政治資金「2億4000万円」を“抜け道相続”していた

  5. 10

    仕事が続かない家族を…「45歳の姉を結婚させてください」入会金や月会費を支払う30代の妹

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  2. 2

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  3. 3

    参院選で自民が目論む「石原伸晃外し」…東京選挙区の“目玉候補”に菊川怜、NPO女性代表の名前

  4. 4

    NiziU再始動の最大戦略は「ビジュ変」…大幅バージョンアップの“逆輸入”和製K-POPで韓国ブレークなるか?

  5. 5

    フジテレビ問題「有力な番組出演者」の石橋貴明が実名報道されて「U氏」は伏せたままの不条理

  1. 6

    サザン桑田佳祐の食道がん闘病秘話と今も語り継がれる「いとしのユウコ」伝説

  2. 7

    我が専大松戸の新1年生は「面白い素材」がゴロゴロ、チームの停滞ムードに光明が差した

  3. 8

    逆風フジテレビゆえ小泉今日子「続・続・最後から二番目の恋」に集まる期待…厳しい船出か、3度目のブームか

  4. 9

    新沼謙治さんが語り尽くした「鳩」へのこだわり「夢は広々とした土地で飼って暮らすこと」

  5. 10

    石橋貴明のセクハラ疑惑は「夕やけニャンニャン」時代からの筋金入り!中居正広氏との「フジ類似事案」