スマホに人生を奪われている人の処方箋…SNSやニュースに浪費する時間の減らし方
スマホにどれくらい時間を使っている?
そこで、気を散らさないようにするための対策を紹介しよう。
■ステップ1:自分の時間の使い方に気づく
自分の状態を自覚することは、かつてないほど重要になっている。これからは、自分の行動を観察する時間を増やすようにしよう。手始めに、あなたはスマホにどれくらい時間を使っているだろう?
今週の時間の使い方をふり返ってみよう。あなたは、その時間の使い方に満足しているだろうか? やめてしまった「いい習慣」はあるだろうか? 先日、私も自分を観察してみたところ、いつもよりスマホに使う時間が増えていることに気がついた。ほぼ50%の増加だ。
こういったことに気づくと、私たちの頭は言い訳を考える。たとえば私の頭は、「株価をチェックしなければならないし、経済ニュースも読んでおく必要がある」という言い訳を考えた。
しかし、これは本当の理由ではない。移動中ならわかるが、それ以外でスマホばかり見ている理由など1つもない。移動中にスマホでいろいろ調べるのは普通のことだ。スマホはそのためにある。しかし、普段からスマホばかり見ているなら、それはスマホを使っているのではなく、スマホに使われている状態だ。
■ステップ2:時間の使い方を向上させると心に誓う
自分がいかに時間を無駄にしているかに気づいたら、その時間をもっと有効に使う方法を考える。しかし、ちょっとした暇つぶしのための習慣は、やめるのが本当に難しい。ここでは禁煙の方法が参考になる。禁煙を決意した人は、タバコを吸う代わりに何かやることを見つけようとする。たとえばタバコを吸いたくなったら、そのたびに外に出て5分間だけ歩く、というように。
悪い習慣をやめる方法は、それに代わるもっといい行動を見つけることだ。朝、目を覚ましたらSNSをチェックする人は、それをオーディオブックを聴くという行動に変えてみる。
代わりになるいい行動を見つけないと、気を散らす悪い習慣をやめるのは不可能だ。ネットニュースばかり読む代わりに、もっといい時間の使い方を見つけなければならない。ここであなたに、ぜひ覚えておいてもらいたいことがある。
それは、「ニュースを読むと、不安になり、悲観的になる。歴史を読むと楽観的になる」ということだ。その理由は、ニュースは悪いことばかりに注目し、歴史はいいことに注目するからだ。世の中には、楽観的になれるようなことがいつでもたくさん存在する。あなたはただ、それを見つけようと努力すればいいだけだ。
そして、そのすべては、自分が注意を向ける先をコントロールすることから始まる。これは現在進行形の闘いだ。そして、この闘いは日に日に激しくなっていく。しかし、だからこそ、自分の注意をどこに向けるかを、いつでも最優先にしないといけない。現在の経済において、ほとんどの人はすでに機能していない。彼らはロボットになってしまった。誰かや何かに注意を奪われるだけの奴隷のようだ。
あなたはそうなってはいけない。自分の注意をコントロールしよう。そして、自分の人生を豊かにしてくれるものだけに集中しよう。
▽著者=ダリウス・フォルー(Darius Foroux)
ベストセラー『THINK STRAIGHT』『What It Takes To Be Free(自由になるために必要なこと)』を含め7冊の著作がある。2015年にブログを開設し、6つのオンラインコースを創設。人生、ビジネス、生産性、資産形成に関する考えを執筆している。『タイム』誌、NBCテレビ、『ファスト・カンパニー』誌、『オブザーバー』紙など、多くのメディアで特集が組まれ、その思想や活動が紹介された。ブログの読者は月間50万人を超え、記事の購読者は3000万人以上になる。
▽訳者=桜田直美(さくらだ・なおみ)
翻訳家。早稲田大学第一文学部卒。訳書は、『The Number Bias 数字を見たときにぜひ考えてほしいこと』(サンマーク出版)、『「科学的」に頭をよくする方法』(かんき出版)、『世界最高のリーダーシップ 「個の力」を最大化し、組織を成功に向かわせる技術』(PHP研究所)、『アメリカの高校生が学んでいる投資の教科書』(SBクリエイティブ)、『ロングゲーム 今、自分にとっていちばん意味のあることをするために』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。