東京都が年度内提出目指す「カスハラ防止条例」…現場からため息が漏れるナゼ?

公開日: 更新日:

 都内のコンビニ店長はこう明かす。

「土下座を強要したり、執拗に苦情電話をかけたり、暴力を振るうなどのモンスターカスタマーは警察沙汰にすればいいわけで、実際にそれで逮捕された例も過去にありますけど、厄介なのは犯罪とは言えないお客さんの方。毎日深夜に買い物に来るたびにきつい嫌みを言って帰るとか。“プチモンスター”って信じられないほどいるんです。それがストレスになって辞めたアルバイトは1人や2人じゃない」

 具体的な禁止行為についてはガイドラインを策定するというが、関係者によると、条例ではカスハラから従業員を守る企業側の責務を規定することも検討するらしい。

「これまでだったら〈まあ、我慢してよ〉などと従業員をなだめすかして何とか乗り切っていたのが、もう〈現場でうまく処理して〉とは頼みづらくなる。従業員が〈会社は守ってくれなかった〉と東京都に駆け込むかもしれませんからね」(柏木理佳氏)

 前出のコンビニ店長は「ウチみたいなアルバイト中心の職場になると、オーナーとか私が従業員を守るため、24時間対応に追われることになるんですかねえ……」とため息をつく。

 従業員を守るのは当然だろうが、中途半端な条例に右往左往……それはそれで面倒くさいか。

■関連キーワード

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…