大事なのはお金? 家族? ドイツで暮らした日本人の僕が心底驚いた土日の街並み
お金や教育、家事などの身近なテーマから、政治や環境問題などグローバルなジャンルにおいて、「日本で非常識とされていること」が、実は「世界の常識であること」は意外と少なくありません。それを知れば、日本人の根底にある「価値観の選択肢」を増やすことにつながるはずです。
ドイツ在住の日本人実業家で、世界に精通する人気インスタグラマーが48例に及ぶ世界のシン常識をまとめた初の著書「シン・スタンダード」より一部抜粋、再構成してお届けします。
◼️ほとんどの店がお休みする
ドイツに移住してビックリしたことのひとつは、土日はとにかくお店が開いてないこと。
全くのゼロというわけでもないが、本当にビックリするくらい開店しているお店が少ない。だから金曜日の夕方には、週末に備えた買いだめの行列がスーパーにできる。僕は曜日感覚があまりないから、よく金曜日に買いだめを忘れては、ひもじい週末を送っていた。
当時僕はドイツで会社を経営していた。そんなことからよくドイツの人たちにこう尋ねていた。
「土日はどこの店も開いてないんだから、土日に店を開けたらめちゃくちゃ儲かるんじゃない!?」
そんな質問に対して返ってくるのは、いつもこんな答えだった。
「そりゃめちゃくちゃ儲かるかもしれない。だけど、土日の家族との時間を犠牲にしてまでお金を稼いで、いつ何のためにそのお金を使うの?」
ハッとさせられた。そして、何も言い返せなかった。他のアジアの国々でも、ヨーロッパの国々でも、ドイツと同じような答えが返ってきた。つまり、「お金」よりも「家族」のほうが大事に決まっている、ということだ。逆に、(主観だけど)「稼げるなら」と、時には遅くまでだろうが、土日だろうが、関係なしに働く人は、日本とアメリカに多いように感じる。