最後まで冷静と情熱の好ましいバランスを保っていた蓮舫氏。弱者への揺るぎないまなざしが詰まっていた。
4人の回答ぶりを車に例えると、小池=高級ガソリン車、蓮舫=ハイブリッドSUV、石丸=テスラ、田母神氏=クラシックカーといったところか。確かにそれぞれに良さも趣もあるだろう。ただ、石丸氏の描こうとする景色にはほかの3人とは明らかに違う〈未来感〉があった。未来の経済を語るときも、明らかに彼だけは人口動態の観点をつよく感じさせたし。でもなあ、メガバンクの為替アナリスト出身、地方自治体首長経験者でもある彼の「日本を変えていくためには首都東京から」という主張は、皮肉にも都民以外にこそ強く訴求するのかもしれず、そこがどう得票に影響するかは未知の部分が大きいと感じましたね、正直。
小池知事は通常運転。「世界で一番の都市を目指す」なんてヌルく空疎きわまりない発言はその最たるもので、ぼくなんかは「あぁまた〈らしいこと〉言ってるよ小池さん」としか思えないのだが、昔も今も東京最高! と本気で感じているような都民にとっては、さぞや耳に心地よい言葉であったことでしょうねぇ。そうそう、会見で小池知事にだけ投げられた質問があった。根強く取り沙汰される学歴詐称についてである。前日18日、弁護士の小島敏郎・元都特別顧問が、知事が虚偽の学歴を記載した疑いがあるとして、公職選挙法違反の容疑で東京地検に刑事告発したばかり。だが知事は不快感を隠さずに反論し「選挙妨害」とまでも言った。ちなみに3候補は触れさえしなかった。この疑惑は今回もこのまま終わっていくのだろうか。