著者のコラム一覧
松尾潔音楽プロデューサー

1968年、福岡県出身。早稲田大学卒。音楽プロデューサー、作詞家、作曲家。MISIA、宇多田ヒカルのデビューにブレーンとして参加。プロデューサー、ソングライターとして、平井堅、CHEMISTRY、SMAP、JUJUらを手がける。EXILE「Ti Amo」(作詞・作曲)で第50回日本レコード大賞「大賞」を受賞。2022年12月、「帰郷」(天童よしみ)で第55回日本作詩大賞受賞。

最後まで冷静と情熱の好ましいバランスを保っていた蓮舫氏。弱者への揺るぎないまなざしが詰まっていた。

公開日: 更新日:

 2728万円という突出した額の裏金を明らかにしてもなお、党の役職停止1年という大甘処分で済んだ萩生田光一前政調会長は「反省は必要ですが、いつまでも下を向いているわけにはいきません」なんて男前なセリフも厭わない、鋼のメンタルの主。驚くべきことに裏金発覚後も自民都連会長の座にあるが、その都連が小池知事の支援を決めた。そんな自民の姿勢はエグいといえるが、支援者は欲しいが党派色はノーサンキューという「虫のよさ」を隠そうともしない小池知事の振る舞いもなかなかにグロテスク。

 告示前日の昨日19日、有力4候補による共同記者会見を生配信で観た。一騎討ちと評されることの多い小池、蓮舫の両氏に、ネットで大人気の石丸伸二・前広島県安芸高田市長、14年の都知事選で61万票を得て4位だった田母神俊雄・元航空幕僚長という顔ぶれ。記者陣からの質問に答えた後は、候補同士による質疑応答。トータル1時間のなかで、都が直面する少子高齢化、朝鮮人追悼、プロジェクションマッピング、神宮外苑再開発、政治資金パーティー、知事給与などの課題について語りあった。


 ここで水際立ったキレキレの言語化能力を見せつけたのは石丸氏。なにしろ「私が実現する政策は」という第一問に対してボード紙に自ら書いたのが「政治屋の一掃」だからね。都知事選において41歳という若さは経験不足のひと言で片付けられかねないが、だからこそ使える効果的な言葉を周到に選んできた感じ。会見で株を上げたという点では彼がぶっちぎりでしょう。ただぼくには妙に気になることがあって、それは石丸氏をバックアップする顔ぶれだ。安倍晋三番記者だった元NHK岩田明子氏を自社の社外取締役に抜擢したドトールコーヒー創業者の鳥羽博道氏とか、〈選挙の神様〉の異名をとる選挙プランナーで東京維新の会事務局長だった藤川晋之助氏とか。まあ会見でそれを問う記者はいなかったが。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    相撲協会の逆鱗に触れた白鵬のメディア工作…イジメ黙認と隠蔽、変わらぬ傲慢ぶりの波紋と今後

  2. 2

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    《2025年に日本を出ます》…團十郎&占い師「突然ですが占ってもいいですか?」で"意味深トーク"の後味の悪さ

  5. 5

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  1. 6

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  2. 7

    結局《何をやってもキムタク》が功を奏した? 中居正広の騒動で最後に笑いそうな木村拓哉と工藤静香

  3. 8

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 9

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 10

    高校サッカーV前橋育英からJ入りゼロのなぜ? 英プレミアの三笘薫が優良モデルケース