小布施町立図書館(長野県上高井郡)3本の巨木に天井から星が降る館内
三角形の敷地の上に緩やかな傾斜のある帽子のような屋根のかかった個性的な建物が「小布施町立図書館」、別名「まちとしょテラソ」だ。
館長の志賀アリカさんが言う。
「建物は信州の山々に呼応する形状で、図書館の前にある雁田山に連なっていくようなデザインです。館内はワンフロアのバリアフリー。間仕切りがなく、どなたでも利用しやすい構造になっています。3本の巨木をイメージした柱が屋根を支え、天井からは星に見立てたいくつもの電球が下がっていて、館内を照らします。窓が大きいため昼間は自然光が入りますが、暗くなると図書館の明かりが行灯のように周囲を照らします」
「まちとしょテラソ(terrasow)」という呼称にはさまざまな意味がある。町の図書館であることに加え、駅付近で役場や小学校が隣という立地から待ち合わせの場所という意味の「まちとしょ」。テラソは「照らそう」。「terra」はラテン語で「地球」、「sow」は「種をまく」。小布施から世界を照らし、未来を担う子どもたちが地球に種をまくという意味が込められている。
蔵書は約10万冊。図書館には学びの場、子育ての場、交流の場、情報発信の場という4つの柱があり、中でも力を入れているのが絵本や児童書で2万3432冊。写真は玄関から入って左側の絵本コーナー。天井からはおしゃれな傘が吊られていて、子どもも喜びそうな空間だ。
小布施は晩年の葛飾北斎がアトリエを構えた地としても知られ、北斎関連の書籍は246冊ある。