間もなく創業100年! 京都の老舗酒場「京極スタンド」の懐の深さに酔う

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「この前まではカフェの女給さんと男性でおみえになることが多かったわね~」

 アタシの隣の若いカップルは女子が月桂冠の樽酒を飲みつつたばこをプカプカ。彼氏は生ビールをチビチビ。何やら彼女にハッパかけられている様子。「しっかり就職のこと考えなアカンやないの!」。京オンナは強いね。アタシも月桂冠の樽酒(470円)にシューマイ(450円)を注文。向かいの丸テーブルの若者4人は日替わり定食(900円)をかっ込んでいる。かと思えば端の丸テーブルでは中年男女がネットリと月桂冠の熱燗をさしつさされつ。いやあ~、なかなか懐が深い店だ。居心地いいがこれ以上いると夜に差し支える。そろそろ引き揚げよう。

 入り口横には100年物のレジスターが置いてあるが、さすがに飾りのよう。女将というよりマダムといった方が似合いそうな店主の杉山和子さんに話を聞いてみた。

「外国人さんが多く来はるけど日本語できひん方はお断りしてるんです」

 中には食べ物を持ち込んだり、複数でビール1本だけとか大変だったらしい。

「最近は若い女性の方も来はるようになりましたけど、この前まではカフェの女給さんと男性でおみえになることが多かったわね~」

 すてきな笑顔で話す杉山さんは実に若々しいが、「この前」って、いつのことだろう? ま、京都で「先の大戦」といえば応仁の乱のことらしいからなぁ。創業100年では、まだまだ最近できたハイカラなお店って感じなのかもしれないね。 (藤井優)

○京極スタンド 京都市中京区新京極通四条上る

【連載】今、こんな「昭和の街」が大ブーム

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