ほぼ失明状態の米国男性が遺伝子治療で視力回復…生まれたばかりの息子の顔が見られた!
眼疾患でほぼ失明状態だった男性が、ウイルスを活用した遺伝子治療で視力を回復し、生まれたばかりの息子の顔を見ることができた、というニュースが米国で話題になっている。
ノースカロライナ州リンカーントン在住のタイラー・ウィルフォングさん(36=写真左)は、「網膜色素変性症」という進行性の眼疾患を持って生まれた。米国立眼科研究所によると、「網膜の細胞が時間の経過とともにゆっくりと分解し、視力喪失を引き起こす」難病だ。
最近になってタイラーさんは、同州ダーラムにあるデューク眼科センターが、網膜色素変性症患者の視力をある程度回復する可能性のある遺伝子治療を行っていることを知った。
治療方法は次のようなものだ。
網膜が正常に機能するために重要な遺伝子があるが、網膜色素変性症の場合、その遺伝子の変異により機能しなくなる。そこで、その遺伝子の「健康なコピー」を注射で目に取り込むことで網膜の機能を回復するのだ。遺伝子を取り込むために使うのが、「目の後部の細胞に感染するように特別に開発されたウイルス」だ。