和歌山県では1年あまりで外国人観光客3人が行方不明…日本の治安の悪化か?
和歌山県を旅行していたドイツ人の大学生が、10日午前5時ごろに母親にSNSを通じてメッセージをやり取りしたのを最後に行方不明になった。その後、本人のパスポートなどが紀の川の河川敷のトイレで見つかったことが明らかになったが、未だ足取りはつかめない。
大学生は9月21日に入国し、東京を観光後、同30日に和歌山県を訪れたという。
実は昨年6月にも、同県を旅行していた韓国人男性が串本町内で行方不明になっている。ほか、昨年4月には奈良県と和歌山県にまたがる世界遺産「熊野古道」を訪れたアメリカ人女性が消息を絶っている。女性の名前が入ったリュックサックが山中で見つかったが、行方不明のままだ。
過去には18年に栃木県日光市を旅していたフランス人女性が失踪する事件も起きているが、日本で外国人の行方不明事件が続くのは気がかりだ。国内の治安が悪くなったのか――。
元警視庁刑事の吉川祐二氏はこう言う。
「治安は変わっていません。ドイツ人大学生の場合は、トイレでパスポートが見つかっているので、事件の可能性もありますが、外国人を誘拐する組織的な事件に巻き込まれるリスクは大きくないとみています。それよりも近年は訪日観光ブームで、日本人も行かない自然あふれる秘境地やトレッキングなどの旅が人気を集めています。外国人同士の口コミを頼りに移動し、禁止区域を知らなかったり、滑落して助けを呼べなくて遭難するリスクの方が考えやすい。ちなみに長年外国人の失踪ケースを見ていても、命を絶つ目的で日本を訪れることはほぼ聞いたことがありません」