世界最古!120万年前の「南極の氷」を国際的研究グループが採取に成功
南極大陸で国際的研究グループが、世界最古とされる120万年前の氷を採取することに成功して話題になっている。
気候と環境科学における歴史的な快挙を達成したのは、「EPICAを超えて 最古の氷」という欧州委員会が資金提供しているプロジェクト。EPICAというのは、このプロジェクトの前に実施された「南極における氷コア(円柱状の氷の標本)採取のための欧州プロジェクト」の略だ。
研究者グループは、夏の平均気温がマイナス35度という極寒の中央南極高原で4シーズンにわたり200日以上の掘削を実施。氷床(大陸全体を覆う巨大氷河)を地表の岩盤まで3200メートル掘削し、2800メートル分の氷コアを採取した。写真(プロジェクトのXから)は、最古の氷採取を祝う研究員たちだ。
氷コアの中に閉じ込められた気泡は「地球の大気の過去を記録した小さなタイムカプセルのようなもの」。過去の大気中のガスや化学成分、火山灰など120万年前からの気候の連続的な記録が含まれており、氷河気候サイクルの謎を解明する手がかりとなる可能性がある。