「愛猫をかわいく!」 のつもりが…“映え”グッズで死亡事故のケースも
■クッションタイプは「ヒモ」に注意!
もうひとつは、クッションタイプのカラーです。エリザベスカラーの進化版で、ヒトの首に使用するコルセットのように見えます。
メス用には花びらのようなヒラヒラなどが、オス用にはライオンのたてがみなどがデザインされていることもあって、これもSNSで見かけます。
使用目的はエリザベスカラーと同じで、キズをなめないようにするためです。治療痕が覆われないので、治る過程もよく分かります。
問題は、その使い方です。このカラーを装着するにはヒモの長さを調節し、留め具に固定する仕組みで、多くのネコちゃんに使用できる汎用性があります。そのヒモが危険なのです。
実は、カラーを固定すると、ヒモがかなり余ります。余った部分を大きく切り取るか、ヒモが垂れ下がらないようにカラーに固定するなどすれば問題ありません。が、ヒモが垂れ下がると危ないのです。
実は、飼い主さんの留守中、このタイプのカラーを装着したネコちゃんが動き回り、ジャンプしたときにヒモがドアに引っかかり、首つり状態になったということが過去にありました。それで首が絞まってしまい、残念ながら亡くなってしまったのです。帰宅した飼い主さんはショックだったでしょう。
愛猫をかわいく見せたい気持ちはよく分かりますが、こうしたグッズを使う目的は傷口の保護。その意味を見誤ると、かえって不都合な結果を招くこともあるのです。
(カーター動物病院・片岡重明院長)