トリゼンHD 河津善博社長<3>養鶏場は1つに絞り、飲食店を38店舗に拡大 鶏糞の肥料化も
代表に就任した河津氏がまず手掛けたのが、自社の養鶏場の見直しだ。当時、5つの養鶏場を運営していたが、実はずっと赤字だった。河津氏は1カ所だけを残し、他は手放すことを決断する。
「鶏を仕入れる手段として養鶏場をつくりましたが、生き物なので管理に大変手間がかかり、当社の規模では細部までケアが行き届かなかった。そこで高い技術を持つ養鶏農家に任せた方が効率的だと、契約農家に餌や飼育法を渡して生産する方法に切り替えていったのです。残した直営養鶏場には最新設備を投じ、徹底した管理のもとで育てています。その結果、以前より良質な鶏肉が生産できるようになりました」
また、水炊きだけにとどまらず、居酒屋や鶏ソバ専門店など華味鳥を生かした飲食店も積極的に出店。中国など海外にも進出を果たしている。
「現在は38店舗ほど展開しています。でも、これも失敗ばかりでこの数以上に撤退しているんです。それでも出店をやめないのは華味鳥を知ってほしいから。直接味わってもらうことで、スーパーに並ぶ商品も手に取ってくれると思うんですよ」