トリゼンHD 河津善博社長<3>養鶏場は1つに絞り、飲食店を38店舗に拡大 鶏糞の肥料化も
「ただ、肥料市場は飽和状態で需要が伸びない。だから海に着目しました。実は、公害対策による排水規制等で近海はきれいになりすぎて貧栄養状態になっているのです。その結果、牡蠣やアサリ、海藻が育たなくなってしまった。私は広島大学名誉教授の山本民次先生らとともに華煌らを利用した海専用の肥料『モフ デラックス』を開発。これが植物性プランクトンを捕食する牡蠣やアサリの成育を促すと科学的に証明されて注目を浴びています。また海藻や藻場の生育にも適しているとして少しずつ利用が増えているところです」
海用の肥料はビジネスとしてだけでなく、環境対策として行政にも取り入れてほしいと説明しているという。
「人間万事塞翁が馬が私の座右の銘。失敗や苦労ばかりですが何がどう転ぶかわからない。だから、これからも自分を信じて歩んでいきたいですね」 (おわり)
(ジャーナリスト・中川明紀)