サイゼリヤ 堀埜一成社長(1)小学生の時「頭の体操」を読み、ショックを受ける
インタビュー中、堀埜からは「自分は運がいい」というフレーズが何度か飛び出した。自分はツイていると思うのは、名経営者によく見られる傾向だ。
高校2年生の夏休み、「高校生のための海外旅行」に参加し、北回りでイギリスへ行き、フランス、ドイツなどへの旅を楽しんだ。堀埜が海外好きになる原点だ。
「大学はアメフトのある大学に行きたい」と京大農学部に入学した。
「当時、仮面ライダーがブームでした。格好がアメフトの防具を着用した姿によく似ていて憧れました」
アメフト部に入部したが、1回生の時、2回も鎖骨骨折しプレーヤーを断念、マネジャーなど縁の下の力持ちを務めた。
「4回生で卒業するのが嫌で京大大学院農学研究科に進学、遺伝子操作から環境管理に至る開発、品質評価などの研究を行いました。でも、研究者になる気はサラサラなく、先生からは『おまえは京大をなめとるのか』と叱られましたね(笑)」
1981年3月、同大学院修士課程修了。同年4月、味の素に入社した。入社した時から「海外勤務」を望んだ。研究所勤務、九州工場(佐賀県)などへの3年勤務などを経て、ブラジル工場に異動した。 (つづく)
(外食ジャーナリスト・中村芳平)