何のための国立大?“稼げる大学法案”で学問の自由が失われる…第2の学術会議問題になる可能性
財界の意向を反映
実際、すでに東大は港区・白金台に所有する医科学研究所のキャンパスで外国人向けのホテル・レジデンスの建設計画を進めている。東京工業大も港区の田町キャンパスに高層ビルを建てて事業収入を得る計画がある。
国立大の土地は2018年度から規制緩和され、文科相の「認可」を受ければ企業に貸し付けることが可能になった。今回の改正案では「届け出」だけでOKになる。大学も土地で稼げということだ。
「法案は財界と経産省の意向をくみ、官邸主導で“だまし討ち”のように進められた。大学に関する重要事項を審議する中央教育審議会に諮られることもないまま、10月31日に閣議決定され、国会に提出された。国立大学協会の会長も、閣議決定まで改正案の中身を知らなかったそうです」(文科省関係者)
拙速に進めるのは、国民が気づかないうちに成立させたいからなのか。大規模軍事研究や学問の利権化につながる“稼げる大学法案”の改悪は廃案にすべきだ。