裏金「共謀」巡り深まる新たな謎…安倍派幹部4人が政倫審に出席も、証言に食い違い
同年8月上旬、前月に横死した安倍氏以外は4月と同じメンツが、議員会館の塩谷事務所に集まり、再び協議。「還流の是非について協議したのは、この1度」(塩谷)という。直後に入閣により事務総長を辞めた西村氏は「結論は出ず、その後の経緯は承知していない」と主張。後任の高木氏は同年11月に「松本氏から一転して継続する方針を伝えられた」とし、「検討の場に出席したことはない」と関与を否定した。
塩谷氏は「希望する声が多く、要望に沿って還流が再開された」「困っている人がいるので仕方がないくらいの話し合いで継続になった」「曖昧な感じで事務的に行われた」などと終始ゴニョゴニョ。いずれも復活主導を否定し、誰が決めたのかは結局分からないまま。裏返せば、誰かが嘘をついていることになる。
松野氏も加えた4人とも派閥の会計に関与せず、不記載を知らなかったと釈明したが、にわかには信じがたい。実は8月の協議に参加した下村氏は、今年1月末の記者会見でこう証言していた。
「ある人から、還付(還流)については個人の資金集めパーティーに上乗せして、それで収支報告書で合法的な形で出すという案もあったと思う」