ロイヤルHD(下)かつての主力“外食事業”の売り上げ比率は半分以下
ブランド力を高めるために、徹底的にロイホを磨き上げた。しばらくは新店舗を出さずに、既存店の改修やメニュー開発に予算を投入。それにより居心地のよい店舗と、オニオングラタンスープやアンガス牛ステーキなど、専門店に負けないメニューが出来上がった。
しかしそれだけでは成長できない。そこでコントラクト事業とホテル事業に力を入れた。コントラクト事業とは、空港ターミナルや高速道路のサービスエリアなどでの飲食サービスのことだ。
成長領域は順調に拡大していき、菊地氏が社長に就任した当時は8割だった外食事業の比率が、今では半分以下になっている。
誤算だったのは、「すべて人流に伴うビジネスだった」(菊地氏)ことだ。20年からのコロナ禍で人の動きは完全にストップ。飲食や旅行の市場が消滅した。そのためロイヤルHDの業績も劇的に悪化、20年12月期、21年12月期と2期連続で赤字を計上した。その結果、財務が大幅に悪化、50%あった自己資本比率は20%にまで低下した。
そこで総合商社・双日の資本を受け入れることとし、21年3月に第三者割当で100億円、新株予約権で78億円を調達した。今では双日はロイヤルHD株の19.9%を持つ筆頭株主だ。