「鰻の成瀬」怒濤の急成長に既視感…「いきなり!ステーキ」「乃が美」の二の舞は大丈夫か?
「都心の店によく行きますが、カウンター10席ほどの店を若い店員さんだけで回しています」(前出のフードライター)
だが、この急成長ぶり、どこか既視感があるのではないだろうか。かつて怒涛の勢いで出店を重ね、今や最盛期の半分程度まで店舗数が縮小しているステーキチェーン「いきなり!ステーキ」や、高級食パンの「乃が美」を彷彿とさせるのだ。
「こうしたチェーンは晴れの日使いする高級店とはバッティングしづらいですが、今や鰻は牛丼チェーンやファミレスでも手軽に楽しめますし、スーパーでも国産の鰻が比較的安価で出回っています。しかも、食べる頻度がどちらかというとステーキよりも少ない上に、1食1600円だとしてもたびたびランチ使いするわけにはいかない金額でしょう」(消費経済アナリスト・渡辺広明氏)
ほかにない省人化されたオペレーションや、特別な仕入れルートの有無が決め手というが……。
「仕入れる鰻の味や品質の差別化が中長期的な成長のポイントとなるでしょう。鰻のファストフード化で日本人が食べる頻度が上がれば、業界の景色がこれまでとは変わってくるのではないでしょうか」(渡辺広明氏)
急拡大で、ほかのチェーンと同じ轍を踏まずに済むか。