中小M&Aで横行する悪質な買い手と仲介者…中小企業庁がガイドライン改定
■規制を強化
また、中小企業庁はガイドラインの改定を通じて、売り手と買い手の間に入っている仲介者に対して、買い手企業のコンプライアンスなどの調査を徹底し、売り手企業に十分に説明するよう義務付けたり、買い手企業を優遇するなど利益相反行為を禁止するなど規制を強化した。違反した仲介者は、国のM&A支援機関の登録を取り消し、社名を公表することも視野に入れている。
中小企業のM&Aは、メガバンクなど金融機関にとってもドル箱ともなっている。
「売り手企業、買い手企業の双方から相応の手数料を得られるほか、融資もセットで高い金利が得られる」(メガバンク幹部)ためだ。
それだけに悪質な買い手や仲介者が横行することで、市場がシュリンク(縮小)することが懸念されている。なかには仲介者が悪質な買い手と知った上で売り手に紹介するケースもあるとして、中小企業庁は注視している。