著者のコラム一覧
小林佳樹金融ジャーナリスト

銀行・証券・保険業界などの金融界を40年近く取材するベテラン記者。政界・官界・民間企業のトライアングルを取材の基盤にしている。神出鬼没が身上で、親密な政治家からは「服部半蔵」と呼ばれている。本人はアカデミックな「マクロ経済」を論じたいのだが、周囲から期待されているのはディープな「裏話」であることに悩んで40年が経過してしまった。アナリスト崩れである。

中小M&Aで横行する悪質な買い手と仲介者…中小企業庁がガイドライン改定

公開日: 更新日:

 中小企業庁は8月30日、「中小M&Aガイドライン」を改定した。「不適切な譲り受け側の存在や経営者保証に関するトラブル、M&A専門業者が実施する過剰な営業・広告等の課題に対応し、中小M&A市場における健全な環境整備と支援機関における支援の質の向上を図る」(中小企業庁)というのが改定の趣旨だが、特に問題視しているのは、悪質な買い手企業の存在だ。

「経営権を譲り受けても、経営はほとんど行わず、会社の資産を勝手に引き出し、従業員の給与や税金も未納のままドロンする悪質な買い手が跋扈している」(メガバンク幹部)というのだ。

 中小企業は全国で300万社を超えるが、その多くは経営者の高齢化と後継者不足という問題を抱えている。とくに創業経営者にとっては、「会社はわが子のようなもの。経営を続けたいが、年齢の問題もあり、信頼できる後継者もいない場合、他社に売却することを選ばざるを得ない」(都内の中小企業経営者)という。

 そうした経営者の切ない思いを踏みにじる買い手企業がいるのだ。「M&A市場でいま問題視されているルシアンホールディングスという投資会社もそのひとつ」(メガバンク幹部)という。朝日新聞の報道によれば、ルシアン社は、過去2年間で37社を買収し、悪質な行為を重ねてきたとされる。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    演技とイケオジぶりで再ブレーク草彅剛と「10億円マンション売却説」中居正広氏との“絆”

  2. 2

    元ソフトバンク「伊奈ゴジラ」の転落人生…淡路島で盗み84件総額472万円、通算5度目の逮捕

  3. 3

    大関・大の里すでに「師匠超え」の鋼メンタル!スキャンダル報道もどこ吹く風で3度目賜杯

  4. 4

    米田哲也が万引きで逮捕!殿堂入りレジェンド350勝投手の悲しい近況…《苦しい生活を送っていたのは確か》

  5. 5

    テレ朝に“ナスD”超え「1億円横領」続々の過去…やりたい放題で解雇された社員のヤバい所業

  1. 6

    東洋大姫路・岡田監督が吐露「本当は履正社に再任用で残る予定で、母校に戻るつもりは…」

  2. 7

    かんぽ生命×第一生命HD 人生設計に大切な保険を扱う大手2社を比較

  3. 8

    山下智久「正直不動産」映画化でひと儲け狙うNHKに「甘い」の声も…山P人気は下降気味

  4. 9

    レイズ看板選手「未成年への性的虐待容疑」で逮捕も…ドミニカは殺人も銃撃も「無罪放免」の実態

  5. 10

    キムタク一家の妹Kōki,は映画主演の裏で…フルート奏者の姉Cocomiの話題作りと現在