セブン&アイHD(下)カナダ大手の買収提案に創業家はどう出るか
外国の報道機関はM&Aをどう伝えたか。ブルームバーグ通信(8月20日付)は、〈セブン&アイの創業家一族が買収提案を支持した場合、巨額の利益をもたらす〉と報じた。
〈セブン&アイの年次報告書によれば、創業者の伊藤雅俊氏(故人)の子孫は同社で2番目の大株主。一族の資産管理会社を通じて約8.1%(31億ドル=約4560億円)の株式を所有している〉
買収が実現すれば、売り手にとっても買い手にとっても大きな転機となる。これまでにも買収の提案はあったが、ボクシングのジャブのような打診にすぎなかった。
〈クシュタール共同創業者で資産家のアラン・ブシャール氏が最初に伊藤氏に買収を持ちかけたのは2005年のことだったという。伊藤氏は、合併を考える前に(両社とも)米国市場での地位を向上させる必要があるとして、買収案を拒否した〉
創業者の伊藤雅俊氏は23年3月10日、98歳で亡くなった。これで買収の一つの障害が除去されたと考えたのかもしれない。
創業者の伊藤氏の子孫たちが、買収提案をどう見ているのかは、わからない。