著者のコラム一覧
有森隆経済ジャーナリスト

早稲田大学文学部卒。30年間全国紙で経済記者を務めた。経済・産業界での豊富な人脈を生かし、経済事件などをテーマに精力的な取材・執筆活動を続けている。著書は「企業舎弟闇の抗争」(講談社+α文庫)、「ネットバブル」「日本企業モラルハザード史」(以上、文春新書)、「住友銀行暗黒史」「日産独裁経営と権力抗争の末路」(以上、さくら舎)、「プロ経営者の時代」(千倉書房)など多数。

セブン&アイHD(下)カナダ大手の買収提案に創業家はどう出るか

公開日: 更新日:

■総合スーパーから食品スーパーへ

 伊藤氏の死によって、セブン&アイで大きな動きがあった。

 セブン&アイの井阪隆一社長は23年3月、イトーヨーカ堂を126店舗体制から、26年2月末までに93店舗へ縮小し、祖業のアパレル事業からも撤退すると発表した。

 今年8月下旬、撤退する33の店舗名を明らかにした。北海道6店、東京都3店、神奈川県4店、埼玉県4店など。首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)は91店から77店に減少する。

 4月には、イトーヨーカ堂を核とするスーパー事業を集約し、27年度以降に株式を新規に上場させる方針を打ち出した。

 東北地盤のヨークベニマルなどと食品スーパー事業を担う中間持ち株会社を設立して上場させる。総合スーパーから食品スーパーに特化し、再生を図るシナリオだ。

 セブン&アイはセブン-イレブンを展開する主力のコンビニに経営資源を集中する。


 事業構造の改革に合わせて、創業家出身の伊藤順朗氏が4月1日付で代表取締役に追加選任した。伊藤氏はスーパーストア事業を管掌する。ヨーカ堂を分離した上場会社のトップに据える布石と受け止められている。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  2. 2

    大阪・関西万博の前売り券が売れないのも当然か?「個人情報規約」の放置が異常すぎる

  3. 3

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  4. 4

    ヤクルト茂木栄五郎 楽天時代、石井監督に「何で俺を使わないんだ!」と腹が立ったことは?

  5. 5

    バンテリンドームの"ホームランテラス"設置決定! 中日野手以上にスカウト陣が大喜びするワケ

  1. 6

    菜々緒&中村アン“稼ぎ頭”2人の明暗…移籍後に出演の「無能の鷹」「おむすび」で賛否

  2. 7

    巨人「先発6番目」争いが若手5人で熾烈!抜け出すのは恐らく…“魔改造コーチ”も太鼓判

  3. 8

    ソフトバンク城島健司CBO「CBOってどんな仕事?」「コーディネーターってどんな役割?」

  4. 9

    テレビでは流れないが…埼玉県八潮市陥没事故 74歳ドライバーの日常と素顔と家庭

  5. 10

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ